Q1.聖天信仰は『七代の福を集めて一代で使い切る』ってホント?

お母さんが毎日お弁当を作って、あなたに持たしているとしましょう。ある日、弁当箱の中を見ると、いつも入っているはずの玉子焼きがありません。

玉子焼きが大好物のあなたはこう言って泣きます。

「ああ、大好物の玉子焼きを取られた!なんてひどい母ちゃんだ」

大人になったあなたは、昔を思い出してその時をことを反省するでしょう。

 

 聖天さんを信仰して手に入れた福徳は、聖天さんが御自分の福徳を裂いて分けてくれたものです。したがって、あなたやあなたの一族からかき集めたものではありません。しかし、いつも与えられていると、だんだんと自分の所有物のように思えてくるのが人間です。あなたが聖天様から離れていったり、代が替わって聖天様との縁がなくなれば、当然のことながら聖天様からの贈り物も届かなくなります。なのに、あなたはこう叫ぶかもしれません

 

「聖天さんに福徳を取られた!」

 

 世の中の噂:うわさ は、ほとんどが尾ひれが付いて大きくなったもので、ちょっとしたことや考え違いが元だったりするんですね。


Q2.『断ち物』をして拝むといいの?

 自分の好物や食べ物を絶つことを条件にして願掛けをする行為を『断ち物』といい、身を苦しめて祈る苦行的な願掛けが、昔からよく行われてきました。これは『良いこと』なのでしょうか?

 答えは「ノー」です。もしあなたの可愛い一人息子が、何日も食べ物を食べず、冷たい水をかぶったりして、あなたのほうを見ます。あなたはそれをみて喜べるでしょうか?多分、あなたはその行為は無駄であることをさとすはずです。

 聖天様はこころからあなたのことを思い、苦しみを減らしてよろこびをあたえてやろうといつも考えていらっしゃいます。なのに、あなたが自分を苦しめている姿を聖天様に見せるとするならば、聖天様の胸の内はいかばかりでありましょう。 聖天様を悲しませるようなことは『良いこと』であるばずがありません。

 

 聖天様が喜ぶこと。それは『善いこと』です。それは、いつも自分の行いを反省し、他人のことにも気を配り、自分を高めようと努力すること。シンプルだけど奥が深く、言うのは簡単だけど、実際やるのは難しい。なぜならば、この三つは、ほとけの教えを一言で言うとこうなるからです(このスローガンを七佛通戒偈(しちぶつつうかいげ)といいます)。しかし、今からでも始められ、必ずプラスになります!

 

 しかも、続けていけば「さとり」が得られて必ず「ほとけの境地」にあなたも昇ることができるのです。仏教を守る善神である聖天様があなたに望むことは、ほとけさまが説かれたこと・・・すなわち『善いこと』を実践すること(作善:さぜん)なのです。お釈迦さまも、苦行を放り捨て、正常な思考のもとで「さとり」を達成しました。聖天様の最終目的は、あなたが完成された人格=「さとり」に到達することで、それをサポートするのがお役目なんです。

 (ちなみに修行者が滝に打たれたり、山を歩くのは『自然のエネルギーを吸収して心身を清める』ための一環であり、身を苦しめる「苦行的」目的ではないんです~。)


Q3.聖天像をウチにも祀りたいんだけど?

 聖天様のおすがた、いわゆる尊像はほとんどが金属製です。その理由は、おすがたを直接油で浴油することを目的としているからなんです。

そういうわけで、浴油をしないのに像をおまつりしてはいけません。

 私んちでお風呂をどうぞ」とお招きしながら、湯船に湯も張らず脱衣所にほっといたら失礼とだは思いませんか?しかも相手は王様よりエライ神様ですよ!絶対にやめましょう。どうしても聖天様を像でおまつりしたいのならば、次の三つのうちどれかなら可能です。

 

1.それなりに立派な聖天堂を建てて、聖天壇には密教法具も完備し、定期的に専門家(行者さん)を呼んで浴油供で拝んでもらう。

2.生活空間から切り離された秘密の部屋を作り、聖天壇を完備する。もちろん定期的に浴油は必要です。

3.聖天尊像を専門家のいるお寺に預け、拝んでもらう。

 

 どの方法もムチャクチャ金がかかります。豪商か貴族でナイト無理かも。ちなみに、宇治市のO聖天や西条市の某旅館は1ですし、京都の商家には2の秘密聖天部屋があるところが現存するようです。(知っている方はご一報を!)

 

 聖天さんの御札をおまつりするか、お寺で浴油祈祷をたのむのが経済的で簡単ですね。専門家に「梵字」の聖天さんを作ってもらう方法もあります。


Q4.いつもお参りしている尊天様と、他の所の尊天様は違う神様?

東京で見る朝日と、大阪で見る夕日。これらは全く別のものでしょうか?

 

 もうおわかりですね。京都でこのHPにアクセスしても、北海道からでも、おなじ雙林寺のページがご覧になれます。おためしあれ!

といった具合です。お寺におまつりさている聖天様のお姿は、聖天様にアクセスするための密教法具と思っていただいたほうがいいかもしれません。(実は、仏教は偶像崇拝では無いのです!)

 

どのアクセスポイントからも、聖天様へアクセスは可能です。

 

 ただし、特別な場合ですが、パソコンと同じように設定が異なるということもあります。たとえば、収入や財産の増加を祈る「増益法」専門に開眼された聖天様と、良縁や人気などの人間関係をよくするための「敬愛法」専用の聖天様では、御利益に違いが現れます。

 

 昔の豪商や貴族は、一つの願い事につき一体の像を建立し、専門家に祈祷をを依頼していました。金銀製の像もよく作られました。現在でもお寺によっては、施主別の尊像がずらりとならんでいるところもあるようです。


Q5.自宅での聖天様のおまつりの方法を教えて!

 御祈祷の際に頂いた祈祷札や、分けていただいた御札を聖天様の分身としておまつりしましょう。

もしも神棚があれば、神様としておまつりください。 お仏壇はさけましょう。なくなった方の御魂とは聖天様は同居できないのです。位牌がある仏壇とは別に、信仰する神仏を祭る場所があるならば一緒におまつりすることもできます。

 小さな厨子や神棚を作ってお祭りする方法がいちばん丁寧です。清潔で尊厳が保たれるところならば、タンスの上や本棚にご安置するのも可能です。場所が取りにくいときは、ガクブチや御札箱にいれて壁にかけるのもよい方法でしょう。

 本来ならば、お花。お香。ろうそくの三具足を御供えし、水や御飯、お菓子や神酒・大根などの供物をささげるのですが、現在の住宅事情では難しく、毎日続けるのは困難だと思われますので、とっておきの方法があります。

 

 それは『華水供養:けすいくよう』です。その日いちばん最初に汲んだお水をお供えするのです。水は生きていく上で一番貴重な存在で、どの御供えよりも勝る物です。器は未使用の清浄なものならば何でもかまいません。気に入ったグラスやカップ、旅先で見つけたぐい飲みや抹茶茶碗など、あなたのとっておきの器でお供えして下さい。もしも大きな願いや、お礼のこころを伝えたいのならば、寅の刻(午前4時ごろ)にくんだ水(井華水と呼ばれる)をささげましょう。水道水でも可能です。

 

 可能ならば、毎月一日などの縁日を決めて、お香やお花・お菓子や酒をご供養しましょう。

 

 もしも御札を拝む対象とせず、お力を頂くためのアクセスポイントに限定するのなら、目線よりも高く、清潔なところに張っておきましょう。玄関に高くかがけて魔除けにすることもできます(これを門札:かどふだ といいます)